お薬手帳忘れました~
あまり病院にかからないから
いらなーい
じつはこれ、損しています。
お薬手帳は、外出時は常に持ち歩くようにしましょう。
薬局代が安くなるかもしれません
お薬手帳ってなに?
医師・薬剤師が患者さんの薬の服用歴やアレルギー歴を確認できる手帳です。
ほとんどの薬局で無料で作成することができます。
作ってもらった手帳は、すべての病院と薬局で共通して使用します。
薬局で手帳はどう使われているの?
どうして提出を求められるの?
薬を安全に使用するための情報を、素早く確認するために使われます。
併用薬を確認する
いつも服用している薬と重複がないか、飲み合わせは悪くないかを確認します。
自覚がないだけで、薬の飲み合わせによる有害事象が数多く存在します。
常用薬から基礎疾患を推測する
お薬は飲み合わせだけではなく、病気によって飲んではいけない薬がたくさんあります。
例えば排尿困難な人が自力で尿を出せなくなったり、緑内障の人が失明に至ったり、インフルエンザにかかった子どもがある解熱鎮痛薬を服用してインフルエンザ脳症等を発症したり、場合によっては死に至るケースもあります。
過去のアレルギー歴を確認する
アレルギーを起こしやすい薬の服用歴を見ています。
例えば、抗生剤によるアナフィラキシーショックが有名です。
アナフィラキシーショックは命に係わる危険な副作用ですので、投与を未然に防ぐことが大切です。
さらに薬物アレルギーは、交差反応性に注意が必要です。
まったく同じ薬でなくても、構造が似ている薬物では、交差反応(アレルギー反応)が起こることがあります。
こうして見ても、交差反応性が高いかどうかを判断するのは難しいですね。
おおまかな検査値を推測する
いつも飲んでいる薬の種類や投与量を見て、おおまかな検査値を推測します。
腎臓や肝臓が弱っていないか、血液の成分が減少していないか、おおまかな体重など、推測できる情報は山ほどあります。
こうした情報を推測することで、処方された薬が適正かどうかを判断することができます。
手帳ひとつでたくさんのことを確認できるのですね。
どうして薬代が安くなるの?
先ほど述べた、薬を安全に使用するための情報を素早く確認でき、業務効率が上がる利点があるからです。
- 「服用中の薬はありますか?」
- 「アレルギーはありますか?」
- 「検査値はどうですか?」
などのお互い手間のかかるやりとりを行うことなく、さらに薬局代が安くなるので、お薬手帳の活用はお得です。
薬局代が浮くだけでなく、安心安全に医療を受けることができるので、手帳を活用しないのは「実にもったいない」です。
お薬手帳の活用で価格を安くするためには、「6か月以内に同じ薬局で薬をもらう際に手帳を提出する」という条件を満たす必要があります。
※薬局によっては安くならないところもあります。
お薬手帳はどんどん活用しよう!
使い方はとにかく自由
お薬手帳は自分だけの健康管理手帳です。
薬局で処方薬を書いてもらうだけではなく、薬を服用して感じたこと、気になること、何でも自由に書き込んでみましょう。
本当にあった怖い話
これは本当にあったお話です。
『血圧の薬を服用している患者さんが、アナフィラキシーショックで病院に搬送されたが、アナフィラキシーショックの治療薬を投与しても効果が乏しかった』という事例があります。
これは血圧の薬がアナフィラキシーショックの治療薬を打ち消してしまうことが原因です。
お薬手帳に飲んでいる薬剤名が記載されていれば、その治療効果が乏しいことに気づき、治療薬の増量や変更を早期に検討することができます。
気づかず処置が遅れてしまえば、取り返しのつかないことにもつながります。
120%を引き出すための活用術
1.旅行中や災害時に活用
緊急時に、自分や家族の飲んでいる薬を正確に伝えることは非常に難しいです。
〇〇の薬を飲んでいます
と言われる患者さんが多くいますが、実はこれだけでは情報が足りません。
薬は10,000種類以上も存在するので、薬の名前や用法用量まで伝えていただく必要があります。
そんな時にお薬手帳があれば、医師・薬剤師へ正確でスムーズに伝えることができます。
お薬手帳は常にカバンの中に入れておくことが理想的ですが、かさばったりボロボロになったりするのが嫌な方もいますので、このようなカバーをオススメしています。
自分なりのかわいいデザインをアレンジすることもできます。
2.体調の変化を記載する
薬の情報だけではなく、体調の変化を記入することで、副作用の早期発見につながります。
医師に確認したいことをまとめたり、薬で治療後の体調変化を記載し、受診時に見てもらうとスムーズな診察につながります。
家族の薬を管理されている人にはなおさらオススメです。
3.市販薬を記載する
薬局で飲み合わせを確認する際、市販薬の名前が出てこない方は多くいます。
数多くある市販薬の製品名を、すべて把握している薬剤師はそうそういません。
製品名が2文字違うだけでも、薬の成分が大幅に変わる製品も存在します。
市販の薬を購入した際は、その日付と薬の名前を記入することで、より安全に薬を使用することができます。
安心して医療を受けるためには?
お薬手帳以外にも、安心して医療を受けるために持ち歩くべきものがいくつかあります。
これらはまとめて保管しておくことで、いつでも安心して医療を受けることができます。
市販薬のレシートなどを挟めておくと、自分の治療歴を一元管理することができて便利です。
来局される患者さんは、このようなホルダーケースをよく持参されます。
上記の持ち物をまとめて管理できるので、このようなホルダーケースをオススメします。
自分だけの通院セットを作成しましょう
まとめ
お薬手帳は、医療を安全に受けるための記録です。
お薬手帳を活用することで、より良い医療を受けることができます。
薬の重複や飲み合わせを防止し、過去の服用歴をまとめて管理することだけでも、手帳を活用することは大きな利点と言えるでしょう。
お薬手帳は引き出しにしまっておくものではなく、外出時は常に持ち歩くものです。
自分のスタイルに合わせてグッズを揃えてみるのも個性が出て素敵ですね。
医療はだんだんと複雑化していきます。
自分や家族の服用薬がすぐわかるよう、ぜひお薬手帳を使ってくださいね。
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