カサカサすると痒いんじゃ
とりあえずこの保湿剤、
使っていいですよね?
こんな相談をされることがあります。
その保湿剤、
ちょっと待ってください!
実は保湿剤は、
使ってはいけない人たちがいます。
1. 保湿剤の作用『エモリエント効果』『モイスチャー効果』について
保湿剤には「エモリエント効果」と「モイスチャー効果」のどちらかの効果が期待されます。
‣エモリエント効果とは
エモリエント効果とは、
『皮膚表面を油性の膜で覆うことで、水分の蒸発を防ぐ』保湿効果のことをいいます。
また難しいこと言ってる・・・
もう少しわかりやすく言いましょう。
つまり、お肌の水分が蒸発しないよう蓋をします。
「北海道のラーメンは油で蓋がされているから冷めにくい」って聞いたことがあります!
ま、まあ、イメージはそんな感じです・・・。
代表的な成分として、
- 白色ワセリン
- プロペト
- サンホワイト
などの油脂性の軟膏があります。
塗った後にベタつき感がある保湿剤なのでわかりやすいですね。
‣モイスチャー効果とは
モイスチャー効果とは、
『皮膚表面に保湿成分を浸透させて、水分を補う』保湿効果のことをいいます。
はいはい、
つまりどういうことですか?
つまり、お肌の水分補給です。
代表的な成分としては、
- ヘパリン類似物質(ヘパリノイド)
- 尿素
- ヒアルロン酸
- セラミド
などがあります。
サラサラと塗れるタイプが多いのが特徴です。
2. 代表的な保湿剤の特徴について
2つの効果を理解した上で、さっそく保湿剤の特徴を見ていきましょう!
‣白色ワセリン【エモリエント効果】
白色ワセリンは保湿力が高く、刺激性も少ないため赤ちゃんにも安全に使用できる油脂性軟膏です。
水と混ざり合わないので、皮膚を保護する作用が非常に優れています。
ワセリンって聞いたことがあるわ!
そうです!
ワセリンとは一般的に、白色ワセリンのことを指します。
皮膚科で薬をもらったことのある人はお気づきだと思いますが、白色ワセリンは安定した物質であるため、ステロイド外用薬などと混合して使われることが多いです。
※白色ワセリンから不純物を取り除いたものをプロペト、プロペトからさらに不純物を取り除いたものをサンホワイトと言います。
不純物を取り除いてあるので、刺激感やかぶれが少ないのが特徴です。
メリット
デメリット
こんな人にオススメ!
皮膚表面の水分が蒸発するのを防ぐ保湿剤なので、入浴した直後の柔らかくみずみずしいお肌に使用すると効果的です。
‣ヘパリン類似物質(ヘパリノイド)【モイスチャー効果】
保湿成分のヘパリノイドを皮膚に浸透させることにより、お肌の水分補給をします。
皮膚の角質層まで浸透し、角質層の水分を蓄えやすくすることで皮膚のバリア機能を改善します。
さらにヘパリノイドには、
- 血栓を溶かして血流を良くする作用【血液サラサラ作用】
- 傷痕(ケロイド)の生成を抑制する作用【肉芽形成抑制作用】
があるため、お肌をきれいにする効果が期待されています。
美容目的で処方されて、
社会問題になったやつですね
よく知っていますね。
実は美容目的で使っていいほど簡単な薬ではないのです…。
メリット
デメリット
こんな人にオススメ!
かぶれを起こした保湿剤の名前や添加物をメモや写真に残しておくと良いですね。
‣尿素クリーム【モイスチャー効果】
保湿成分の尿素を皮膚表面に浸透させることにより、お肌の水分補給をします。
固くなった角質を軟化し剥離させる作用(ピーリング作用)があるため、かたくゴワゴワした手足をなめらかにしてくれます。
今は美容の時代よ♪
ママの保湿剤を貸してもらおっと♪
ちょっと待ってください!
尿素クリームは、年齢が若い人のお肌に使用すると、逆に乾燥やかゆみの原因になることがあるので推奨されていません。
使用する際は皮膚科医または薬剤師に相談してください。
メリット
デメリット
こんな人にオススメ!
かたいゴワゴワのお肌が改善したら、ヘパリン類似物質やヒアルロン酸、セラミド配合の「ピーリング作用」のない保湿剤に切り替えると良いでしょう。
3. まとめ
保湿剤は種類が豊富ですが、それぞれ効き方や注意点などが異なります。
保湿剤を正しく効かせるためには、それぞれの特徴を理解することが大切です。
なかには使い続けると症状が悪化してしまう保湿剤もありますので、なるべく理解して使用するよう心掛けてくださいね♪
市販の保湿剤は種類がたくさんありますので、薬局の薬剤師へ相談すると安心です。
ぜひ気軽に相談してくださいね。
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