毎日お薬を塗っているのに、
なかなか良くならないの。
きっと薬が合わないんだわ!
それはツライですよね💦
お薬の「塗り方」と「塗る量」は大丈夫ですか?
私の薬局に数年来局される患者さんは、
ほとんどの人が塗り薬を正しく使えていませんでした。
これは保湿剤やステロイド外用薬に限らず、すべての塗り薬に共通して言えます。
「半年から1年近くも塗り薬を使用しているのに、改善しない!」と頭を抱える患者さんがちらりほらりといます。
内服薬は指定された時間帯にお水で服用するだけですが、外用薬はそうはいきません。
すこーしだけ塗るだけではダメです。
たっぷり塗りすぎるのも正しくありません。
大切なことは薬を ”理解” することです。
お薬を正しく理解して、皮膚の悩みとおさらばしましょう♪
1. 皮膚の役割
まずは皮膚について簡単に解説しますね。
皮膚とは、外界と内臓の間にある”バリア機能”と呼ばれています。
皮膚の役割について具体的に説明すると、
barrier(バリア)は防壁って意味デスヨ!
皮膚が防壁となって、いろんな刺激から体を守っているんですね!
ところが乾燥や摩擦などが原因となって皮膚の”バリア機能”が低下すると、体外からの刺激をモロに受けてしまいます。
この刺激が皮膚炎やかゆみを引き起こす原因になってしまいます。
2. 保湿剤の「塗り方」
保湿剤の効果を最大限に引き出すためには、塗布量と塗布回数に意識しなければなりません。
かゆみや乾燥肌などが改善しない理由のほとんどは、塗布量が少ないことが考えられます。
‣保湿剤の正しい塗り方
皮膚の表面は皮溝(ひこう)と皮丘(ひきゅう)と呼ばれる “でこぼこ” した構造になっています。
この “でこぼこ” を薄い膜で覆うように保湿剤を塗り広げましょう。
しかし、保湿剤の塗る量が少なかったり、一生懸命すりこんで塗ってしまうと・・・
皮膚の溝にだけ保湿成分が溜まり、赤く囲ったところが保湿できていません。
ここが乾燥の原因となり、皮膚のトラブルへとつながってしまいます。
自分のお肌を見てみてください。細長い溝が見えるはずです!
その溝の方向に沿って保湿剤を塗るとさらに効果的ですよ。
‣保湿剤の塗る回数
保湿剤の回数は、1日1回よりも1日2回、3回のほうが効果があります。
ただし、不必要に回数を増やして使用する必要はありません。
保湿剤の種類によって適切な回数があるので、指示された回数をきちんと守って使用しましょう。
ちなみにここだけの話、塗るタイミングについてもコツがあります。
もし指示された回数が
・1回であれば⇒入浴後・寝る前
・2回であれば⇒朝+入浴後・寝る前
・数回であれば⇒朝+入浴後・寝る前+日中
に使用するとより効果を発揮します。
3. 保湿剤の「塗る量」
保湿剤の適正量とは、
薬を塗った肌にティッシュがくっつき、少しテカリが出るぐらい
と表現されます。
少しザックリ言いすぎだわ・・・
それではいったいどの程度の量を塗れば良いのでしょう?
塗り薬で使用量の目安を考えるとき、1FTU (フィンガーティップユニット)という単位を用います。
難しそうなお話が続きますが、ここが重要なポイントです。
絶対に知っておくべきポイントが2つあります!
‣1FTUとは
成人の手のひら2枚分を塗れる量を 1FTU (フィンガーティップユニット)と言います。🙌
1 FTUは約0.5gに相当します。
‣使用量の目安
1 FTU はなんとなくわかったけど、それがなによ・・・。
おっしゃる通りです・・・
じつは顔や腕など、体の部位によって1FTUの目安があります。
例えば、
・顔 ⇒ 2~2.5 FTU
・腕 ⇒ 3 FTU
・背中⇒ 7 FTU
など、少し検索すると一覧表がでてくるはずです。
ですが、一覧表はあくまで目安であり、
その人の体格も年齢も考慮されていません。
ここではあえて一覧表を記述しません。
もっと簡単に目安量がわかるからです。
なんとなくわかってきましたか?
それでは最後に、赤ちゃんの場合で考えてみましょう。
赤ちゃんの顔全体に保湿剤を塗る場合です。
赤ちゃんの顔であれば手のひら2枚分ですっぽり隠れます。
つまり1FTUが目安です。
チューブタイプを使用する際は、指先から第一関節までの量を塗ってあげましょう。
剤形に合わせて、先ほどの一覧表にあてはめれば簡単です♪
一覧表なんて覚える必要がないですね!
保湿剤を塗る箇所に、あらかじめ手のひらを重ねてみるとわかりやすいですよ。
4. 赤ちゃんの時から毎日しっかり塗ったほうが良い?
赤ちゃんの肌は角質層の保湿機能が未発達なため、乾燥傾向にあります。
乾燥状態が続くと将来、アトピー性皮膚炎を発症しやすくなります。
実際に、赤ちゃんの時から保湿をしっかり使用していたことで、アトピー性皮膚炎を予防できたという報告もあります。
赤ちゃんは泣くことでしか、かゆみのつらさを訴えることができません。
沐浴後はしっかりとお肌を保湿をし、乾燥から守ってあげてください♪
入浴後はなるべく15分以内に保湿してください。
みずみずしいお肌ともなじみやすく滑らかに使用できると思います。
5. まとめ
塗り薬を正しく使うことは非常に難しいです。
塗り薬は「塗り方」と「塗る量」にしっかりと意識して使用してください。
長らく治らない皮膚の病気も、もしかしたら改善するかもしれません!
ぜひ試してくださいね♪
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