♪~ その痛み、もしかして!帯状疱疹かも!
最近になって突然テレビCMで流れ始めました。
約3人に1人が、80歳までに帯状疱疹にかかると言われています。
私も学生時代に発症しましたが、火傷のような痛みを今でも鮮明に覚えています。
激痛を伴う帯状疱疹は「実に恐ろしい」です。
ちなみに帯状疱疹の再発を経験するのは、帯状疱疹患者の4%未満と言われています。
もう二度とかかりたくない!!
というのがリアルな感想です。
コロナワクチンと関係があるのでは?
と言われているみたいですが、
詳しい因果関係については現在のところ不明です。
私の経営している皮膚科前の薬局では、
ここ最近はたしかに帯状疱疹の患者さんが増えています。
高齢者はもちろん、若い方もちらりほらりと受診しているご様子です。
本当に因果関係は不明なのでしょうか?
色々な事情もありそうなので、あまり首を突っこまないようにします・・・。
帯状疱疹ってどんな病気?
過去に水ぼうそうにかかったことのある人は、帯状疱疹を発症する恐れがあります。
どうしてなるの?
“水痘・帯状疱疹ウイルス“とよばれるヘルペスウイルスに感染すると、感染が初めてだった場合は水ぼうそう(水痘)として現れます。
この”水痘・帯状疱疹ウイルス“は、水ぼうそうが治った後も完全に消えることがなく、体内の神経節に潜み続けてしまいます。
加齢や過労、ストレスなどで体の免疫力が低下すると、潜んでいた”水痘・帯状疱疹ウイルス”が再び活性化を始め、神経節から皮膚に到達することで帯状疱疹を発症します。
放置するとどうなるの?
放置しても、痛みを我慢できるのであれば、しっかりと休息や栄養を摂ることで自然治癒することもあります。
しかし、帯状疱疹を放置した場合、後遺症や合併症のリスクが高くなるため、放置による自然治癒はオススメはしません。
後遺症と合併症
帯状疱疹の後遺症といえば、帯状疱疹ウイルスが神経を傷つけることで起こる「帯状疱疹後神経痛(PHN)」が有名です。
ぶつぶつが治ったのに、まだ痛い!
神経の修復にはかなりの長い年月を要してしまうため、帯状疱疹が治った後も、ピリピリとした痛みに苦しみ続けることになります。
また、顔面に帯状疱疹が発生した場合、顔面神経麻痺や失明、難聴といった合併症を引き起こす場合があります。
帯状疱疹で処方される薬
帯状疱疹の治療では、抗ヘルペスウイルス薬を中心とした治療が行われます。
早めに治療を開始するほど、高い効果が期待できます。
皮膚症状があらわれて3日以上を経過してしまうと、薬の十分な効果が得られにくいとされています。
処方される内服薬 ※成分名で記載
- アシクロビル
- バラシクロビル
- ファムシクロビル
- アメナメビル
内服薬での治療は原則7日間で終了となりますが、症状によって10日間まで服用することがあります。
その他にも、痛みの度合いに合わせて痛み止め等が処方されることがあります。
神経に強い損傷を受け、「帯状疱疹後神経痛(PHN)」を発症してしまった場合には、根本的な治療薬はないため、痛み止めのみを継続していくことが多いです。
処方される外用薬 ※成分名で記載
- アシクロビル
- ビダラビン
“口唇ヘルペス治療薬”として、同じ成分が市販で販売されていますが、外用薬のみでは十分な効果が得られない可能性があるため、帯状疱疹だと思われる方は皮膚科へ受診しましょう。
薬をもらう際の注意点!
帯状疱疹のほとんどの薬は、腎臓で排出されます。
腎臓が弱っている方は「用量の調節」や「薬剤の変更」が必要です。あらかじめ医師・薬剤師へ伝えるようにしてください。
医師に伝えたからいいや~
という方は要注意です。
何度か経験しましたが、用量の調節が上手くできていない処方があります。
医師にも伝え、薬剤師にも伝えることで、事故を防ぐことができるので、めんどくさがらず相談することが大切です。
併用してはイケナイ薬は?
通常は薬剤師が確認しているので問題ありませんが、各処方薬ごとに”併用してはいけない“薬と”なるべく併用は避けた方がいい“薬があります。
下記の表を参考にして、気になることがあれば必ず薬剤師へ相談してください。
飲み合わせが気になる方は、薬剤師へ聞いてみましょう!
こんな薬は塗ってはイケナイ
よくありがちなのは、”皮膚の赤み“に対してステロイド外用薬を塗布してしまうことです。
ステロイドの免疫抑制作用により、症状が悪化する可能性があるため、ステロイド外用薬は使用してはいけません。
症状がひどい場合は、急な痛みを緩和する目的でステロイドを内服させたり、ウイルスによる症状が緩和したあとにステロイド外用薬を使用する場合がありますが、自己判断では使用しないよう気を付けましょう。
塗り薬はどうやって塗るの?
水ぶくれがある場合は、水ぶくれが破れてしまわないよう、優しく保護するように塗ります。
水ぶくれを破ってしまうと、そこからバイ菌が入り込み、感染が起こりやすくなります。
水ぶくれが自然と潰れ、かさぶたになるまでは優しく保護するように心掛けてください。
塗り薬のベタベタが気になる方には、非固着性ガーゼがオススメです。
非固着性ガーゼは、皮膚くっつきにくく、ガーゼ交換時の痛み等を軽減することができます。
医療現場でも使われているメロリンガーゼは通販サイトでも売っていますので、ベタベタが気になる方はこちらをオススメします。
妊婦ですが帯状疱疹薬は飲めますか?
妊娠中でも、帯状疱疹薬の服用は可能です。
しかし、”必ず安全である“と証明されているわけではありません。
抗ヘルペス薬は現在、『有益性投与』と評価されており、”治療上の有益性が危険を上回ると判断される場合にのみ投与すること“と添付文書で定められています。
そのため、重度の帯状疱疹や、頭や眼の近くに帯状疱疹がある場合などは、治療を行った方が良いと判断されることがあります。
妊娠や授乳中の場合は、必ず医師・薬剤師へ申し出ましょう。
医師に伝えたからいいわ
これはかなり危険です。
お腹の赤ちゃんの安全のために、ご協力をお願いしております。
痛み止めなどは妊娠中に使えない種類があります。
妊娠週数をお伝えいただければ、なお安心です!
帯状疱疹を予防するには?
日常生活を見直す
帯状疱疹の発症には、免疫力の低下が原因になることが知られています。
などは免疫力を低下させてしまいます。
普段からバランスの良い食事を心がけたり、日光を適度に浴びたウォーキングなどを行い、免疫力を低下させないことが大切です。
また、加齢により免疫力は低下していくので、日頃からきちんと休息をとり、ストレスのない生活を心がけ、免疫力を維持していくことが予防につながります。
ワクチンによる予防
年齢が50歳以上であれば、ワクチンを接種することで、帯状疱疹の発症リスクを軽減することができます。
50歳以上になると、帯状疱疹を発症する人が増加すると言われているので、ワクチンの接種は帯状疱疹を予防する手段のひとつになります。
帯状疱疹ワクチンは、現在2種類あります。ワクチンの接種は、クリニックですべて完結してしまうので、薬剤師はあまり関与できません。
種類によっては、接種できない人がいますので、皮膚科医とよく相談してから接種するようにしてください。
まとめ
- 帯状疱疹とは、痛みを伴う赤い斑点や小さな水ぶくれが帯状にあらわれる病気のことを言う。
- 帯状疱疹を放置すると、後遺症や合併症のリスクが高まる。
- 早めに治療を開始することで、高い治療効果を得ることができる。
- 腎臓が弱っている方は用量の調節や薬剤の変更が必要。
- 妊婦や授乳婦にも内服治療を行えるが、必ず医師・薬剤師へ申告する。
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