結局どの薬を選んでいいか、
わからないわ!
前回の記事を読んでいただき、ありがとうございます。
花粉や皮膚疾患などに悩まされる方々は、抗アレルギー薬は必需品ですよね。
花粉の時期になるといつもソワソワし始めます。
受診するほど症状が酷いわけでもないし、時間もなかなかとれず、受診料もタダではないですからね。
そういった方は市販薬に頼っても良いのではないでしょうか。
そんな皆さまの身近に存在する『抗アレルギー薬』について、今回の記事が皆さまのご参考になれば幸いです。
当記事に関する注意点
- 記事の内容に不適切な表記がないか細心の注意を払って確認をしておりますが、内容の正確性や有効性などについて何らかの保証をできるものではありません。あくまで、ご参考までにして頂き、購入の際は薬剤師・登録販売員へ相談してください。
- 本ブログは、製薬会社等からの販売又は紹介に関する対価が発生するものではありません。
- 読者の皆様に何らかの損失、損害等が生じた場合について、一切責任を負うものではありません。
毎日車を運転する人
抗アレルギー薬と言えば、眠気が起こりやすいことで有名です。
眠気が出なくても、インペアードパフォーマンスと呼ばれる『自覚のない集中力・注意力の低下』が現れる可能性があります。
車の運転をされる人には、なるべく脳への影響が少ない薬を選択します。
ぼくも学業に集中したいので、
『集中力が低下しない薬』がいいな。
フェキソフェナジン
代表的な製品名:アレグラFX
有効成分 | フェキソフェナジン塩酸塩 |
リスク分類 | 第2類医薬品 |
薬効分類 | 第二世代 抗ヒスタミン薬 |
服用方法 | 1日2回 朝夕 |
副作用 | 眠気:弱 抗コリン作用:弱 |
飲み合わせの悪い薬 | エリスロマイシン(抗菌薬)、水酸化アルミニウム・水酸化マグネシウム含有製剤(制酸剤) |
第二世代抗ヒスタミンの中でも、
効き目は弱いですが、眠気も少なく、集中力・判断力の低下を起こしにくいのが特徴です。
ロラタジン
代表的な製品名:クラリチンEX,クラリチンEX OD錠
有効成分 | ロラタジン |
リスク分類 | 第2類医薬品 |
薬効分類 | 第二世代 抗ヒスタミン薬 |
服用方法 | 1日1回 食後 |
副作用 | 眠気:弱 抗コリン作用:弱 |
飲み合わせの悪い薬 | エリスロマイシン(抗菌薬)、シメチジン(胃薬) |
1日1回で済むのが特徴ですね。
OD錠(口腔内崩壊錠)があるのも嬉しいです。
肝臓が悪い人
体内へ吸収された薬は、肝臓で処理されることで、薬が体内へ蓄積することを防ぎます。(なかには、肝臓で処理されることで効果を発揮する薬もあります。)
したがって、肝臓の機能が悪いと、薬が体内へ溜まってしまい、副作用を発現するリスクが上がってしまいます。
肝臓の機能が悪い人は、肝臓での処理に依存しない薬を選択します。
ジフェンヒドラミン
代表的な製品名:レスタミンUコーワ錠
有効成分 | 主成分:ジフェンヒドラミン塩酸塩 |
リスク分類 | 第2類医薬品 |
薬効分類 | 第一世代 抗ヒスタミン薬 |
服用方法 | 成人:1日3回 |
副作用 | 眠気:強 抗コリン作用:中 |
飲み合わせの悪い薬 | 中枢神経抑制剤(抗不安剤など)、MAO阻害剤(パーキンソン病治療薬など)、飲酒 |
第一世代の薬は効き目が強い反面、眠気等の副作用に注意が必要です!
クロルフェニラミンマレイン酸
代表的な製品名:ネバシー
有効成分 | クロルフェニラミンマレイン酸塩 |
リスク分類 | 第2類医薬品 |
薬効分類 | 第一世代 抗ヒスタミン薬 |
服用方法 | 1日3回 |
副作用 | 眠気:強 抗コリン作用:中 |
飲み合わせの悪い薬 | 中枢神経抑制剤(抗不安剤など)、MAO阻害剤・ノルアドレナリン補充製剤(パーキンソン病治療薬など)、飲酒 |
メキタジン
代表的な製品名:ストナリニ・ガード
有効成分 | メキタジン |
リスク分類 | 第2類医薬品 |
薬効分類 | 第二世代 抗ヒスタミン薬 |
服用方法 | 1日2回 朝夕 |
副作用 | 眠気:中 抗コリン作用:強 ⇒緑内障× 排尿障害× |
飲み合わせの悪い薬 | 中枢神経抑制剤(抗不安剤など)、MAO阻害剤(パーキンソン病治療薬など)、メトキサレン(尋常性白斑治療剤)、飲酒 |
抗コリン作用の強い薬ほど、緑内障や排尿困難な人には悪影響ですよ。
アゼラスチン
代表的な製品名:ムヒAZ錠
有効成分 | アゼラスチン塩酸塩 |
リスク分類 | 第2類医薬品 |
薬効分類 | 第二世代 抗ヒスタミン薬 |
服用方法 | 1日2回 |
副作用 | 眠気:中 抗コリン作用:中 |
飲み合わせの悪い薬 | 設定されていない |
飲み合わせについての記載は見つけられませんが、飲酒やシメチジン(胃薬)との併用で副作用のリスクが上がりそうですね。
エバスチン
代表的な製品名:エバステルAL
有効成分 | エバスチン |
リスク分類 | 第2類医薬品 |
薬効分類 | 第二世代 抗ヒスタミン薬 |
服用方法 | 1日1回 |
副作用 | 眠気:弱 抗コリン作用:弱 |
飲み合わせの悪い薬 | エリスロマイシン(抗菌薬)、イトラコナゾール(抗真菌薬)、リファンピシン(抗生物質) |
フェキソフェナジン
代表的な製品名:アレグラFX
・前記参照
腎臓が悪い人
体内へ吸収された薬は、腎臓で処理されることで、薬が体内へ蓄積することを防ぎます。
そのため腎臓の機能が悪いと、薬が体内へ溜まってしまい、副作用を発現するリスクが上がってしまいます。
腎臓の機能が悪い人は、腎臓での処理に依存しない薬を選択します。
エピナスチン
代表的な製品名:アレジオン10,アレジオン20
有効成分 | エピナスチン塩酸塩 |
リスク分類 | 第2類医薬品 |
薬効分類 | 第二世代 抗ヒスタミン薬 |
服用方法 | 1日1回 就寝前 |
副作用 | 眠気:弱 抗コリン作用:弱 |
飲み合わせの悪い薬 | 該当なし |
飲み合わせの悪い薬の報告はありませんが、成分の重複には気を付けてくださいね。
アゼラスチン
代表的な製品名:ムヒAZ錠
・前記参照
エバスチン
代表的な製品名:エバステルAL
・前記参照
クロルフェニラミンマレイン酸
代表的な製品名:ネバシー
・前記参照
ジフェンヒドラミン
代表的な製品名:レスタミンUコーワ錠
・前記参照
フェキソフェナジン
代表的な製品名:アレグラFX
・前記参照
メキタジン
代表的な製品名:ストナリニ・ガード
・前記参照
妊娠している人
妊娠中はとくに服用薬への注意が必要になります。
薬によっては胎児への影響が大きく、抗アレルギー薬のなかにも、先天異常が報告されている薬剤があります。
こういったリスクをなるべく避け、本当に必要な薬だけを使用することが重要です。
医療用医薬品では安全性が高いとされていても、市販薬の場合は使用できないことがありますので、混乱のないよう必ず薬剤師へ相談してください。
市販薬は市販薬専用の添付文書の『してはいけないこと』に”妊婦”の記載がない医薬品を選びます。
セチリジン
代表的な製品名:ストナリニ Z,ストナリニ Z ジェル
有効成分 | セチリジン塩酸塩 |
リスク分類 | 第2類医薬品 |
薬効分類 | 第二世代 抗ヒスタミン薬 |
服用方法 | 1日1回 |
副作用 | 眠気:弱 抗コリン作用:弱 |
飲み合わせの悪い薬 | テオフィリン(気管支拡張剤)、リトナビル(抗ウイルス薬)、中枢神経抑制剤(抗不安剤など)、ピルシカイニド(不整脈薬)、飲酒 |
エピナスチン
代表的な製品名:アレジオン10,アレジオン20
・前記参照
授乳中の人
授乳中の薬の服用は、妊娠中と同様に注意が必要になります。
抗ヒスタミン薬が乳汁中へ移行した場合、少量であっても幼児への影響が考えられます。
さらに、第一世代のような抗コリン作用が強い薬剤を服用した場合、抗コリン作用による乳汁分泌抑制が考えられるため、独断での使用はオススメできません。
市販薬専用の添付文書では、ほとんどが使用を避けることになっているため、医療用医薬品で有益性投与とされている薬で、尚且つ『Medications and Mother’s Milk』で安全とされている薬を選択します。
ロラタジン
代表的な製品名:クラリチンEX,クラリチンEX OD錠
・前記参照
15歳未満の人
乳幼児に誤った抗ヒスタミン薬を使用してしまうと、熱性けいれんと呼ばれる有害事象を引き起こしやすくなると言われています。
もともと15歳未満へ投与試験したデータが少ないため、市販薬の場合、15歳未満に使用できる抗ヒスタミン薬は限られています。
市販薬は市販薬専用の添付文書の『してはいけないこと』に”15歳未満の小児”の記載がない医薬品を選びます。
ジフェンヒドラミン
代表的な製品名:レスタミンUコーワ錠
有効成分 | 主成分:ジフェンヒドラミン塩酸塩 |
リスク分類 | 第2類医薬品 |
薬効分類 | 第一世代 抗ヒスタミン薬 |
服用方法 | 1日3回 5歳未満は服用しないこと |
副作用 | 眠気:強 抗コリン作用:中 |
飲み合わせの悪い薬 | 中枢神経抑制剤(抗不安剤など)、MAO阻害剤(パーキンソン病治療薬など)、飲酒 |
フェキソフェナジン
代表的な製品名:アレグラFXジュニア
有効成分 | フェキソフェナジン塩酸塩 |
リスク分類 | 第2類医薬品 |
薬効分類 | 第二世代 抗ヒスタミン薬 |
服用方法 | 1日2回朝夕 7才未満は服用しないこと |
副作用 | 眠気:弱 抗コリン作用:弱 |
飲み合わせの悪い薬 | エリスロマイシン(抗菌薬)、水酸化アルミニウム・水酸化マグネシウム含有製剤(制酸剤) |
製品名の「ジュニア」の文字で勘違いしてはいけませんね。
まとめ
今回ご紹介したものはほんの一部です。
多くの方は誤解しがちですが、
薬の飲み合わせは、医師に聞いても、ネットで検索してもわかりません。
クスリはリスクであり、『異物』であることを再認識して、薬を慎重に使用しましょう。
お薬の飲み合わせ以外にも、腎臓や肝臓のおおよその数値、持病などは、お薬手帳から判断できる場合があります。
服用されるご本人のために、常用薬や持病のある方は、お薬手帳を持参しましょう。
薬のことは薬剤師へ聞きましょう!
参考資料
- 添付文書
- 医薬品インタビューフォーム
- Medications and Mother’s Milk
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