くしゅん!かゆいー!
お困りですか?
花粉症で・・・。
抗アレルギー薬を探しています。
車は運転されますか?
妊娠はされていますか?
たかが市販のアレルギー薬で、
なんでそんなこと聞かれないといけないの?
皆さんは知っていますか?
どんな薬でも、
クスリはリスクです!
ツラい思いをしたくなければ、薬剤師へ相談しましょう。
そもそも抗アレルギー薬ってなに?
抗アレルギー薬とは、
アレルギーを引き起こす原因物質を抑える作用を持つ治療薬のことを指します。
そのため、抗アレルギー薬と一口に言っても、アレルギー反応の抑え方はさまざまあります。
- 抗ヒスタミン薬
- ケミカルメディエーター遊離抑制薬
- 抗ロイコトリエン薬
- トロンボキサン合成阻害・拮抗薬
- Th2サイトカイン阻害薬
これだけたくさんの作用がありますが、
実際に市販で販売されている薬のほとんどは、抗ヒスタミン薬なのです。
ヒ、ヒスタミン??
「アレルギー反応に関する物質」
と考えていただければOKです!
第一世代と第二世代 抗ヒスタミン薬
抗ヒスタミン薬は開発された世代により、
第一世代と第二世代の2つに分類されます。
第一世代の特徴
効果が強い反面、副作用も強いのが特徴です。
血液脳関門と呼ばれる脳への関門を通過しやすいため、眠気やふらつきなどの脳への影響がでやすくなります。さらに、第一世代の抗ヒスタミン薬には、抗ヒスタミン作用のほかに抗コリン作用を併せ持つため、口喝・便秘・尿閉・眼圧上昇などの副作用が問題となります。
第二世代の特徴
第一世代と比べて効果はやや劣るが、副作用も少ないのが特徴です。
血液脳関門を通過しにくいため、眠気やふらつきなどの脳への影響が少なく、抗コリン作用も少ないため、前立腺肥大症や緑内障患者にも比較的安全に使用することができます。
抗ヒスタミン薬による眠気のメカニズム
眠気が少ないのは、
脳に移行しにくいからなのですね。
抗ヒスタミン薬の選び方!7つのポイント
使用者は子どもか?
例えば2歳未満の乳児が、血液脳関門を通過しやすい抗ヒスタミン薬を服用した場合、熱性けいれんと呼ばれる有害事象が報告されています。
さらに、子どもが安全に服用できる抗ヒスタミン薬は限られており、成人量よりも少ない量で投与されることがあります。
薬局で市販薬を購入する場合は、『だれが』服用するのかを必ず薬剤師へ伝えてください。
副作用は自分に合っているか?
抗ヒスタミン薬でも、それぞれの薬の構造によって、副作用の起こりやすさが変わってきます。
市販薬を自分で選んで購入する場合は、『起こりやすい副作用が自分に合っているか』を考えます。
たとえば、
緑内障の持病がある人が眼圧を上げてしまう抗ヒスタミン薬を使ったり、
車を毎日運転している人が、わざわざ眠気の強い薬なんて使いたがりませんよね。
ぼくは眠くならないから大丈夫だ!
うとうと・・・。
じつは、
眠気がなくても、判断力や集中力が低下し、眠気がでていることに自覚できない場合があります。
これはインペアードパフォーマンス(Impaired Performance)と呼ばれる副作用のひとつです。
『インペアード(impaired):低下する』
つまりパフォーマンスの低下デス。
インペアードパフォーマンスは、
車を運転する人にとって命の危険があるとても怖い話なのです。
1日の用法は?
抗ヒスタミン薬の市販薬の場合、用法は1日1回、2回、3回とさまざまです。
その理由は、薬の構造によって、効果が最大になる時間、効果が半分になる時間がそれぞれ異なることが挙げられます。
効果が最大になる時間、半分になる時間は薬剤師に聞くと教えてくれますよ。
飲みやすい剤形は?
内服薬の剤形はさまざまです。
- 錠剤
- カプセル剤
- 口腔内崩壊錠(OD錠)
- 粉薬
などがありますが、効き目はほとんど変わらないため、好みで選ぶと良いでしょう。
妊娠しているか、または授乳中か?
妊娠中や授乳中は、ほとんどの薬を使用する際に注意が必要です。
抗ヒスタミン薬の中には、先天異常の発生リスクが高まるという報告があります。
また、授乳に移行された薬物を乳児が摂取してしまう可能性も考えられますが、これらは抗ヒスタミン薬に限った話ではありません。
腎臓や肝臓は正常か?
体内に入った薬(異物)は、おもに2つの臓器で処理され、体外へ排出されます。
この処理を担当する臓器が、腎臓と肝臓です。
腎臓や肝臓の処理能力が悪いと、副作用のリスクが上がってしまいます。
腎臓や肝臓が悪い方は、ほとんどの薬に注意する必要があります。
常用薬との飲み合わせは?
抗アレルギー薬の場合は、薬の飲み合わせで直接死に至ることはほとんどありません。
しかし、飲み合わせしだいでは、
などの有害事象を生じる危険性が高まります。
さらに、抗ヒスタミン薬の種類によっては、一部の制酸剤やリンゴジュースなどと併用してしまうと、十分な効果が得られなくなる可能性があります。
薬や食品との相性には注意が必要です。
リンゴジュースも相性悪いんですか?
たしかに一部の薬は相性が悪いです。
腸管のOATPとよばれる輸送体が阻害されてウンヌンカンヌン・・・。
まとめ
市販で販売されている抗アレルギー薬は、
ドラッグストアや一部の薬局で購入できます。
リスクの少ない薬は登録販売員からも購入できますが、他に薬を服用している、もしくは持病があれば、必ず薬剤師へ相談してください。
「たかが市販薬を購入しに行く」なんて思わず、
市販薬を購入する際は、自分の身を守るために、必ずお薬手帳を持参しましょう。
薬学的知見が必要であれば、ぜひ薬剤師を頼ってくださいね♪
「かかりつけ医に聞けば大丈夫」じゃないですよ。
医師に聞いてもわからない、それが薬剤師の職域です!
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