種類が豊富でわからないわ!
あるあるですね。
私におまかせください!
みなさんは、
「どの保湿剤を使ったらいいの?」
と悩んだことはありませんか?
あまり知られていないですが、
保湿剤は種類や剤形によって使い分けられているのです。
目的や用途に応じて、使いやすい形に製剤化したもの。内服薬であれば錠剤・カプセル・粉薬・シロップ、外用剤であれば軟膏剤やクリーム剤などを指します。
特徴さえわかっていれば簡単です♪
1. 保湿剤の剤形について
保湿剤は大きく分けると、
- 軟膏剤
- クリーム剤
- ローション剤
があります。
わかりやすく例えると、
- 軟膏剤 ⇒ 油(油脂剤)
- クリーム剤 ⇒ 油と水(乳剤)
- ローション剤 ⇒ 水 (乳液剤,溶液剤)
となります。
イメージはこんな感じです。
クリーム剤は見ての通り、油と水が混ざった状態にあり、油の中に水の粒が浮いている状態と、水の中に油の粒が浮いている状態があります。
前者を油中水滴型(左)、後者を水中油滴型(右)といいます。
ゆちゅうすいてきがた?
すいちゅうゆてきがた?
油中水滴型の特徴
わかりやすく言うと、油っぽいクリームです。
身近なもので例えると、バターやマーガリンが油中水滴型の構造をしています。
しっとり感が強く、水で流れ落ちにくいのが特徴です。
バターをパンに塗り広げるのと同じように、しっかりと塗ることが大切です。
水中油滴型の特徴
わかりやすく言うと、水っぽいクリームです。
身近なもので例えると、生クリームやマヨネーズが水中油滴型の構造をしています。
サラサラ感があり、水で流れ落ちやすいのが特徴です。
生クリームをスポンジケーキに塗り広げるように、優しく塗るイメージが大切です。
こうしてイメージするだけでも、塗り方が劇的に変わるんです!
例えばどんな製品があるの?
保湿剤といえば『ヒルドイド』が有名です。
ヒルドイドには、
- ヒルドイドソフト軟膏
- ヒルドイドクリーム
- ヒルドイドローション
- ヒルドイドフォーム
など、剤形の種類が豊富です。
この中の、
- ヒルドイドソフト軟膏が油中水滴型
- ヒルドイドクリームが水中油滴型
の製品に該当します。
ぜひバターや生クリームをイメージして塗ってくださいね。
2. それぞれの剤形の特徴
正しい保湿剤を選ぶためには、いくつか考えるポイントがあります。
考えやすいポイントを4つ挙げますので、こちらの比較を参考にしてください。
順番に解説していきます。
‣刺激性
保湿剤には、刺激性が強い剤形あります。
刺激性の強弱は、かぶれの起こりやすさに関係します。
ローション剤は刺激性が一番強いので、かぶれが起こりやすいとされています。
反対に、軟膏剤の場合は刺激感が少なく使用できるため、敏感肌やお肌の弱いお子さんは軟膏タイプの保湿剤を選択すると良いでしょう。
刺激性については製品によって異なる場合があります!
ぜひ薬剤師に相談してください!
‣塗りやすさ
塗りやすさは、人の好みによりますが、
一般的にはサラサラ塗れるものが塗りやすいとされています。
そのため、ローション剤は最も塗りやすい剤形と言われています。
ベタベタが気になる夏季では、ローションタイプの保湿剤がオススメです。
さらに、軟膏やクリームが塗りにくい有毛部への使用には、サラサラ使えるローションタイプの保湿剤が適しています。
‣保湿力・持続性
保湿力とは、保湿の強さのことです。
保湿力が強い剤形は、効果が長持ちしやすいです。
冬季では空気の乾燥が強いので、保湿力が強い軟膏タイプの保湿剤またはクリームタイプの保湿剤をオススメします。
このように、体質や状況にあわせて考えると選びやすいですね♪
3. 保湿剤の選択
剤形の違いについてはわかったけど、
少しむずかしいわね。
具体例を挙げましょうね。
‣お肌が弱い人
赤ちゃんや敏感肌などお肌の弱い人は、刺激感の少ない軟膏タイプの保湿剤を選ぶと良いです。
白色ワセリンは赤ちゃんにも安心して使用できますが、さらに純度の高いプロペトはより刺激感なく使用できます。
※ただし、ローション剤であっても刺激感やかぶれが好発するわけではありません。皮膚科医や薬剤師の指示がある場合は安心してお使いください。
‣ベタベタが苦手な人
ベタベタが苦手な人はサラサラと使用できるローションタイプの保湿剤やクリームタイプの保湿剤を選ぶと良いです。
日中のベタつきが気になるのであれば、
・日中はローションタイプの保湿剤
・就寝時は軟膏やクリームタイプの保湿剤
で使い分ける方法もあります。
小さなお子さんの場合はとくに、ベタつきが嫌になって継続するのが大変になるので、なるべく使用感を重視して選んであげましょう。
‣冬や入浴後の乾燥がひどい人
冬や入浴後の乾燥には、保湿力の高い軟膏タイプの保湿剤やクリームタイプの保湿剤を選ぶと良いです。
冬は湿度が低くなるので乾燥が強くなり、乾燥による皮膚トラブルが多発します。
また、入浴後は浴槽と脱衣所の湿度の違いによって乾燥が強くなり、痒みや皮膚の炎症の原因になります。
入浴後は1秒でも早く保湿を行い、肌のうるおいをキープすることが大切です。
‣普段から水仕事が多い人
普段から水仕事が多い人は軟膏タイプの保湿剤を選ぶと良いです。
ローションタイプの保湿剤は、簡単に水で流れ落ちてしまいますが、
軟膏タイプの保湿剤または油中水滴型クリームは水をはじきやすいため落ちにくく、さらには『水』という刺激から手を保護してくれます。
水仕事時には水をはじきやすい保湿剤を使い、作業が終わればサラサラと使いやすい保湿剤を選択すると良いでしょう。
‣広範囲に乾燥がひどい人
顔や身体など、塗る範囲が広い場合はローションタイプの保湿剤を選ぶと良いです。
好みにもよりますが、ベタつきが少ないほど使用感が良いので、継続しやすい傾向にあります。
保湿剤は継続することで充分な効果を発揮します。毎日継続するためには、体質や状況にあわせて保湿剤を選ぶことが大切です。
広めにローションタイプの保湿剤を使用し、とくに乾燥の強い部分には、重ねて軟膏やクリームタイプの保湿剤を使用するとさらに効果的です。
4. まとめ
保湿剤には大きく分けて、軟膏剤(油)、クリーム剤(油と水)、ローション剤(水)があります。
- 乾燥の程度
- 使用感の好み
- 肌の体質
- 使用部位
- 季節や時間帯
によって使い分けるようにしましょう。
「病院・薬局で出されたから大丈夫」なんて言わずに、自分のライフスタイルにきちんと合ったお薬を使いましょう!
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